上質な睡眠を取るには、食事はとても大きな要素です。ここでは、睡眠に良いとされる代表的な4つの栄養素を一つ一つ説明していきたいと思います。

 

1)トリプトファン

トリプトファンは、睡眠の質を向上させる鍵を握っていると言われている【セロトニン】と、【メラトニン】を作る基となるため、もっとも重要な栄養素と言えます。

セロトニンは、精神や感情の働きを落ち着ける・和らげる効果があり、メラトニンは、覚醒と睡眠を切り替える作用があります。

 

▲トリプトファンが含まれる食べ物

肉、魚、豆、種子、ナッツ、豆乳、乳製品、チョコレート、燕麦、バナナ、ドリアン、マンゴー、ナツメヤシ、牛乳、ヨーグルト、カッテージチーズ、鶏卵、ゴマ、ヒヨコマメ、ヒマワリの種、スピルリナ、ラッカセイなど

 

2)グリシン

グリシンは脳をクールダウンし体温を下げる作用があります。肉や魚介類に含まれるアミノ酸の一種で、血管を拡張させ、表面体温の上昇を促すことで体内の熱を放出し、体の中心温度を下げます。体温の低下は、睡眠の質をあげることにつながると言われているので、グリシンの摂取によって睡眠の質向上を期待することができます。

 

▲グリシンが含まれる食べ物

牛スジ、鶏の軟骨、豚足、カジキマグロ、エビ、ホタテ、ウニ、イカ、カニ、など

 

3)GABA

GABAはGamma-Amino Butyric Acid(γ-アミノ酪酸)の略で「ギャバ」と呼ばれています。GABAには脳の緊張やストレスを和らげ、脳の興奮を鎮める働きがあると言われているので、睡眠の質向上を見込むことができます。多くの睡眠薬にGABAの作用を強める成分が配合されていますので、睡眠における重要性が分かります。

 

▲GABAが含まれる食べ物

発芽玄米、トマト、ジャガイモ、ブドウ、チョコレート、漬物、醤油、味噌、キムチ、かぼちゃ、なす

 

4)マグネシウム

マグネシウムは必須ミネラルの1つで、代謝や血糖値の調節、骨の健康、神経や筋肉機能など、さまざまな身体機能に欠かせない役割を担っています。具体的な働きとしては、エネルギーの生成や、タンパク質の合成、神経・筋肉のコントロール、心機能や血圧の調整などがあります。神経コントロールの役割もあるため、睡眠にも効果があるとされているのです。

 

▲マグネシウムが含まれる食べ物

ひじき・昆布・わかめアーモンドやほうれん草、豆乳、ピーナツバター、アボカド卵や牛乳、ヨーグルトなどの乳製品やバナナ

 

番外) 糖質

逆に、眠りを妨げてしまう栄養素は糖質です。糖質を含むものを多く食べると血糖値が急上昇し、そして上がった血糖値を戻すためにインスリンというホルモンが 働きます。

そして、インスリンによって血糖値が下がると、今後は上げるためにアドレナリンなどのホルモンが働きます。アドレナリンが分泌されると、興奮状態となり眠りが浅くなってしまいます。

寝る前に糖質の多いものを摂り過ぎてしまうと睡眠の邪魔をしてしまうことがありますので、就寝前は気を付けましょう。

 

★まとめ

上質な睡眠を取るには、生活習慣のなかでも重要な食事面に気を付ける必要があります。栄養や食品の正しい知識を持ち、改善にトライしてみて下さい。

 

出典 厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」

 

投稿 スタッフ I