人間は毎日ほぼ同じ時刻に眠り、同じ時刻に目を覚まします。この規則正しい睡眠のリズムは、疲労による「睡眠欲求」と、脳内に存在する体内時計からの指示による「覚醒力」のバランスで作られていると言われています。

 

起きている間に蓄積した身体と脳の疲労を取り除くために、人間の身体は睡眠を要求してきます。そして、回復に必要な時間だけ眠ると自然と目覚めるように体内時計から指令が出ていて、毎日これを繰り返しています。

 

目覚めてから一定の時間が経過すると、「睡眠欲求」がはじまり、脳が睡眠を促すホルモンを分泌させ、脳の活動が弱まり眠りに入ります。

そして、適切な睡眠時間を経過すると体内時計は「覚醒力」のあるホルモンを分泌させ、徐々に血圧や脈拍を上げ自然な目覚めにつながります。

 

また、徹夜をしていると徐々に眠気が強まり、明け方になると耐え難い眠気を感じますが、なぜか午後には眠気がいったん軽くなります。このように決まった時刻に眠気が出て、そして醒めてゆくリズムにも「睡眠欲求」「覚醒力」のメカニズムが関わっています。

 

「睡眠欲求」は目覚めている時間が長いほど強くなります。徹夜で長い時間覚醒をしていると、寝つきの悪い人でも一瞬で深い眠りに入ります。一度、眠りに入ると睡眠欲求は急速に減少し、十分な時間眠ると「睡眠欲求」は消えて覚醒します。

 

「覚醒力」は、一日の決まった時間帯に大きくなり、普段の就床時刻の数時間前に最も強くなり、その後メラトニンというホルモンが分泌される就床時刻の1〜2時間前には急速に低下します。このため徹夜明けの午後には一旦軽くなると言う事です。

 

ただ、徹夜で睡眠のリズムを崩すと、本来適切な睡眠により調節される約24時間のリズムで行われる体内時計が不規則となり、身体の様々な不調を招きます。

睡眠不足や不規則な生活習慣は、体内リズムを大きく狂わせ、そして代謝の低下や、生活習慣病罹患、精神疾患の原因にもなりますので、無理な徹夜は避け、一定の睡眠リズムを日常から意識しましょう。

 

また、睡眠にはサイクルがあります。身体を休ませる「レム睡眠」と、大脳を休める「ノンレム睡眠」が約90分周期で繰り返され、朝の覚醒に向けて徐々に始動準備を整えます。一般的な睡眠は、眠りの深い「ノンレム睡眠」から始まり、眠りの浅い「レム睡眠」に移行します。

 

レム睡眠について

睡眠段階の一つで、全身の筋肉が緩み、エネルギーを節約した状態で効率よく身体を休めていますが、脳波は比較的活発に活動している状態の睡眠を指します。睡眠脳波から判別され、急速眼球運動と骨格筋活動の低下を特徴とする事から、急速眼球運動(rapid eye movements: REMs)の頭文字を取り、「レム睡眠」と呼びます。

朝方になると眠りの浅いレム睡眠が長くなり、夢を見ているのはレム睡眠の時間帯が多いといわれており、睡眠時間の約20%ほどと言われています。

 

ノンレム睡眠について

睡眠段階の一つで、睡眠の深さによって4段階に分けられ、日中に活動した大脳を休息させると同時に、成長ホルモンが分泌され細胞の修復、成長を促します。

脳波の活動は低下し、副交感神経が優位となり脳・肉体の疲労を取り除いています。「ノンレム睡眠」周期は90〜120分間で、入眠直後に最も眠りの深いノンレム睡眠が訪れ、明け方になるにつれノンレム睡眠は浅くなります。

集中的に脳を冷やし、体温を下げるために熱を外に放散しているため、寝汗をかきやすい時間帯でもあります。

 

また、入眠前の覚醒時間の長さ、覚醒中の身体運動量、精神負荷量が増すと「ノンレム睡眠」も深くなると言われています。

 

★まとめ

上質な睡眠を取るには、睡眠のメカニズムを理解し、生活習慣を見直す事を意識しましょう。大きな安眠効果が得られるはずです。

 

出典 厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」

 

投稿 スタッフ I